2013/11/08

Amazon EC2は本当に安いのか?データ転送価格から見たレンタルサーバ

サーバを自社内に持つオンプレミスな時代は終わったと思うんですよね。機器の調達コストや専任の管理者を置くコストにおいて、クラウド業者に勝てっこないからです。今サーバーを置くなら、Amazon EC2一択.....ということはないと思うのです。

今回ウェブを巡回するクローラー + 自動再読み込み付きWebアプリの製作をする機会があったので、各種レンタルサーバの価格表とにらめっこしました。
主にハードウェアにおける価格性能比はこちらの方が書いてくれてます。これだけでもEC2の独走に疑問を覚えますが、これにのっかかってくるデータ転送費用の差も無視できません。例えばさくらインターネットさんのさくらのVPSは、最も安いプランで1サーバあたり共有セグメント 100Mbps 月間転送量 1.6TBまで制限かからず無料です。対して、同じものをEC2で構築すると$0.201 x 1600 = 321$かかります(サーバからインターネットへのデータアウト東京リージョンの場合)。弱小規模の月々千円から数万円でサーバを運用してるところだと、これは本当に痛いです。「HAHAHA。弱小が何を言っているんだ。うちみたいな大手なら数万円なんて気にならないぜ」という方も、サーバを訪問するユーザ一人あたりに対してどれだけのコストがかかっているか考えると、決してバカにできない数字になると思うんです。例えばYahooのトップページのようなページ(約0.5MB)を1日10ページ遷移するユーザーだと、月あたり一人につきデータ転送(アウト)だけで約113円かかります。

確かにEC2はAvailable Zoneを多数選べたり、業界を牽引する様々な機能を使えたりして非常に魅力的です。データ転送に関する料金も、増大すればそれに応じて安くしてくれるようです。ですが、日本の土管業者やレンタルサーバ業者も素晴らしいROIを叩き出すと思うのです。形態を考えずに猫も杓子もEC2一択...というのは疑問を覚えます。


※上記は参考です。実際の金額や仕様についてはご自身で確認してください。

2014/06/24追記: EC2の値段が変わったという話を少し前に耳にしました。ご自身で調べて下さい。

2014/06/24追記: 自社サーバールームを選んだpixivの例。将来は正解かどうかはわかりませんが、納得がいきます。